ブラックジャック・カードカウンティング

「ラスベガスをぶっつぶせ」(原題「21」)という映画を見てきました。
ブラックジャックカウンティングという手法を用いてプレイし、大儲けしたMITの学生の実話を映画にしたものです。一緒に見に行った人たちが「カウンティングがよくわからなかった」ということなので、簡単に書いてみたいと思います。

※この「カウンティング」の説明は、「ラスベガスをぶっつぶせ」の面白さを損なうものではありませんのでご安心を。

まず、ブラックジャックのルールについて簡単におさらいしておきましょう。
要は、カードを引いていって、21に近づけるようにします。ディーラーも同様にカードを引いていき、ディーラーよりも(21を超えない範囲で)大きい数字になれば、プレイヤーの勝ちです。それから、後々の説明で重要になるルールとして、ディーラーは自分の手が17以上になるまでカードを引かなければなりません。
それでは、カウンティングについて。まず、ポーカーはトランプの複数の組を1つのデッキ(シューという)を使ってゲームをし、複数回のゲームで使ったカードはシャッフルせずに、トレーに置いておきます。ということは、捨ててあるカードによっては、残りのカードがどういうものが残っているか、ある程度予想がつくということです。
そこで、シューが始まると同時に

点数
high card10・A-1
low card2〜6+1
othersその他0

のように、捨てられたカードをカウントします。
ここで、カウントに一定の閾値を決めておき、ある数を超えたら積極的なプレイ、ある数より小さかったら消極的なプレイをするようにします。
例えば、カウントが+20だとしましょう。low cardがたくさん場に出ているので、山札にはhigh cardが高い確率で含まれている。ということは、ディーラーが16以下でカードを引いた場合、21を超えてしまう可能性が高い。
さらに、残りの枚数が少なくて値が大きい方が、カードの偏りが大きいと考えることができるので、カウントの値を残りのカード枚数で割って正規化した値を用いると、もう少し精度をあげることができます。
他にも複雑な計算により精度を上げることはできますが、頭の中でやるにはこの辺が限界ではないでしょうか。
そんなに難しい話ではないと思います。要は大まかな判断をして、確率を少しでも上げてやろうという話。
現在カジノではこのカウンティングを阻止するために、毎ターンシャッフルを行うなどしていますが、そのせいでカウンティングをしない一般のプレイヤーからも嫌われ、ブラックジャックの人気は下がっているという話もあります。むしろこのカウンティングをゲームに取り入れ、捨てられたカードの情報をおおっぴらに公開した上でプレイするような新しいブラックジャック(あるいは他のカードゲーム)のルールができれば、面白いと思うのですけど。